サル柿合戦と言葉の仮止め報告

社内で話し合い、地元カンパニーの目指す方向性を言葉にしてみました。仮なので、言葉を使っていく中で変化する可能性がありますが、一旦社内での共通の合言葉として決定しましたのでここにご報告いたします。

「地元エナジー、足りてる?」
・暇、足りてる?
・失敗、足りてる?
・祝福、足りてる?

効率や結果がすべての隙のない世の中に、もっと余白のあるゆるし合える社会を提案したいという想いをこの言葉に込めました。



この言葉について、最近あったさるかに合戦ならぬ、さる柿合戦のエピソードをご紹介させて下さい。

地元のギフトの時期限定商品は、商品のお申し込み日時に関わらず、出荷できる時期がきたら順次出荷します。

先日、出荷時期がくる前の商品について、「注文した干し柿は一体いつ届くのか!」とお問い合わせをくださったお客様がいて、電話を受けたスタッフが時期がきたら出荷される仕組みについてご説明しました。
ところがいざその干し柿が出荷される時期が目前に迫ったある日、猿の襲撃に遭い、今季の出荷が一件もできないことが判明しました。

商品を心待ちにしてくださっていたお客様にお届けできないのは残念だし、被害に遭ったつくりて様のお気持ちを察するとなんとも心苦しいのだけれど、猿にやられては仕方ないですね。アンコントローラブル。農産物も海産物も、災害や自然環境の影響には逆らえないのです。あと猿にも。

整備された資本主義社会に甘んじて生きている我々に、何事も予測できると思ったら大間違いだぜ、という天の声が聞こえた気がしました。いや、猿の声が。

「地元エナジー」は、商品そのものやそのつくりての物語はもちろん、商品が手元に届く(あるいは届かない)までのプロセスにも詰まっているのかもしれません。

結果や効率が叫ばれる世の中で、地元カンパニーはそこからこぼれ落ちてしまうけれども大切なものに目を向けていきたいと考えました。



ちなみにこの予測不能の事態を、いつ届くのかとお問い合わせを下さったお客様に説明したスタッフは、こんなふうに伝えたに違いありません。

「お客様、楽しみにしてくださっていたのに大変心苦しいのですが、お申し込みの干し柿は猿の襲撃に遭って全滅してしまいました。つくりて様共々大変悲しい出来事でしたが、自然界に生かされている人間としては仕方のないことですね。猿も頑張って生きていますし。猿と上手に共生できる環境や社会のあり方を考えつつ、来年また美味しい干し柿ができて、今度はちゃんと出荷できるよう、一緒に楽しみに待ちましょう!」

(※実際にはなんと説明したのか未確認です)


こちらもご覧ください。言葉の仮止め会議に関するエッセイ ジモカン日記vol.2 地元エナジー、足りてる?